The Japanese Society for Clinical Microbiology
一般社団法人日本臨床微生物学会
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令和元年度日本臨床微生物学会学術奨励賞

日本臨床微生物学会ビオメリュー賞
Mycobacteroides abscessus complexにおけるクラリスロマイシン誘導耐性株の予測と各種薬剤に対する感受性の検討」木原 実香(29巻4号)

日本臨床微生物学会日本ベクトン・ディッキンソン賞
「血液培養液の遠心上清を用いる新たな直接遊離型コアグラーゼ試験の検討」田中 真輝人(29巻1号)

【講評】
Mycobacteroides abscessus complexにおけるクラリスロマイシン誘導耐性株の予測と各種薬剤に対する感受性の検討」木原 実香

 著者らは、Mycobacterium abscessus complexのクラリスロマイシンに対する誘導耐性の出現の有無が培養3日目のアジスロマイシンのMIC値と相関することを明らかにし、このことから誘導耐性の予測が可能であることを示した。M. abscessus complexの中でもM. massilienseはマクロライドに感性であるが、M. abscessusは誘導耐性を示すことがある。誘導耐性能は亜種同定や誘導耐性に関連する遺伝子の解析により予測が可能だが、これらは保険適用外であり一般的な病院では実施が難しい。著者らが示した結果は臨床現場でM. abscessus complex感染症の適切な治療法を検討していく上で有用なものであり、さらに細菌学的にも重要な情報であることが評価された。

○「血液培養液の遠心上清を用いる新たな直接遊離型コアグラーゼ試験の検討」田中 真輝人

 著者らは、血液培養液の遠心上清液を試料とする新たなコアグラーゼ試験法を考案した。血液培養検査陽性例でブドウ球菌が分離された場合は、黄色ブドウ球菌かCoagulase negative staphylococci(CNS)かを速やかに鑑別する必要がある。迅速鑑別法として血液培養液をそのまま用いる直接遊離型コアグラーゼ試験が推奨されているが、血球成分の混入により微弱なフィブリン析出の判定が困難である。そこで著者らは血液培養液の遠心上清を試料とする新たな方法を考案し、至適な測定条件を決定した。この方法は従来法と比較して判定が容易であり、感度、特異度も優れていることを示した。創意工夫により実用的で、臨床上大きな問題への大きな貢献が期待できる方法を考案した点が評価された。

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