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国際委員会 2017 Jun CLSI報告

CLSI 24 - 27 Jun 2017 AST meeting報告
(2017年6月24日〜2017年6月27日:ペンシルベニア州フィラデルフィア)
舘田 一博(東邦大学)、柳原 克紀(長崎大学)、大楠 清文(東京医科大学)

 2017年6月24日〜27日に開催されたClinical Laboratory Standards Institute(CLSI)のAntimicrobial Susceptibility Testingミーティングに、日本臨床微生物学会から国際委員の舘田一博 委員長(東邦大学)と柳原克紀 委員(長崎大学)、大楠清文 委員(東京医科大学)が参加した。3日間にわたるプレゼンテーションおよびディスカッションが行われたので、決議事項を中心としてその概要をワーキンググループ別に報告する。なお、今回の会議で決定された事項については2018年1月のASTミーティングまでは最終ではなく、最終決定版はパブリックコメントを受けた上で2018年の1月に公表される予定である。

 会議の冒頭でCLSI UpdateとしてMr. Glen Fineから、CILSの新規情報システムが7月5日に稼働すること、これに伴いウエブサイトも新しくなり(https://clsi.org/)、微生物関係(AST)のサイトが直接、先頭画面にリンクされたこと、M100の無料アクセス可能なウエブの閲覧回数は増加していること、しかしペーパーベース(有料)のM100の売り上げは減少していないことなどが報告された。

 今回の会議で使用されたプレゼンテーション・スライドは、以下のアドレスからすべてダウンロードできる。https://s3.amazonaws.com/AST_Meeting/2017JuneASTMeeting.zip

Outreach Ad Hoc ワーキンググループ

 CLSIの広報活動として最新トピックスをニュースレターで紹介することが前回の会議で決定され、今回2017年1号(6月)が発刊 PDF No.1されたと報告された。

 なお、本号に掲載されているトピックは以下の4項目である。

  • The One-Health initiative
  • An overview of mCIM and its limitations
  • Newer developments in antifungal susceptibility testing
  • The 21st century Cures Act and the future of AST

 次号のニュースレター(2017年2号;12月発刊)は次の6項目の解説が予定されていると報告された。

  • Enterococcus AST issues
  • Antifungal ECVs
  • Issues with Candida auris
  • Staphylococcus and cefoxitin/oxacillin testing
  • Gonococcal AST
  • Corynebacterium resistance

Methods Application and Interpretation ワーキンググループ

Modified Carbapenemase Inactivation Method(mCIM)Ad Hoc ワーキンググループ

  • 前々回の会議で、CIMの改良法(mCIM)が提案され、腸内細菌科細菌(1μL loop TSB, 4 hours;Positive: 6 - 15 mm、Intermediate: 16 - 18 mm、Negative: ≥ 19 mm)は承認され、既にM100 27thに掲載された。さらに、前回の会議において、P. aeruginosaでは接種菌量10μL loop で、その他の操作と判定基準は腸内細菌科細菌と同様としてmCIMが承認され、次回のM100 28thに追加掲載されること承認された。
  • 一方、Acinetobacter spp. は10μL loopで実施したデータでも、感度91%・特異度63%であったため、mCIMによるAcinetobacter spp. の実施は承認されなかった。これを受けて、今回の会議では、Carba NPテストによる検討結果(Acinetobacter spp. とP. aeruginosaの各々)が報告された。以下のデータのようにCarba NPテストは、P. aeruginosaでは良好な結果(感度100%、特異度97%)であったが、Acinetobacter spp. では感度(21.3%)が低かったため、次回のS100 28th からCarba NPテストの欄でAcinetobacter spp.を削除することが承認された。

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  • 前回の会議で、metallo-β-lactamases(MBLs)か否かを鑑別することを目的として、Inhibitor-Enhanced Modified Carbapenem Inhibition Method(imCIM)をmCIMの実施と併行して、行うことが紹介され、今回の会議で検討データが報告された。なお、前回の会議ではTSBに加えるEDTAの濃度が0.1mM であったが、今回の検討では5mM に変更されていた。以下にMBL産生が陽性と陰性の場合とに分けて概略を示す。

  • imCIM は腸内細菌科細菌の検討で、特異度96%、特異度92%であったことが報告された。次回のS100 28th に腸内細菌科細菌のカルバペネマーゼ産生の追加試験としてmCIMと併せてimCIMが追加されることが承認された。以下にmCIMとimCIMの判定基準を掲載する。

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Anaerobe ワーキンググループ

  • Clostridium difficile(non-gastrointestinal isolates)のVancomycin に対するEpidemiological Cut Off Values(ECVs)を ≤ 4μg/mLとすることが承認された。なお、metronidazole については、EUCASTの基準と同じ≤2 μg/mLが提唱されたが、否決された。

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  • 以下のような嫌気性菌のバイオアンチグラムが提示され、掲載が承認された。

ブレイクポイントワーキンググループ

  • DalbavancinのStaphylococcus aureusStreptococcus spp. 、Enterococcus faecalisに対するブレイクポイント(FDA承認)が提示され、これらのブレイクポイントをCLSIでも承認することおよびM100(28th), Table 1A. Group Cに置くことが承認された。

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  • Piperacillin-tazobactamの嫌気性菌に対するブレイクポイントについて、以下の表のようにS/I/R = ≤16, 32-64, ≥128 mg/mlとすることが承認された。

  • Coagulase-negative Staphylococcus(CoNS)Oxacillin Resistanceワーキンググループ

  • S. pseudintermediusについては、oxacillinやcefoxitinによる耐性菌(mecA遺伝子の保有株)の検出法が検討され、既にS100 27thにTable 2Cに明記された。前回の会議では、同様にS. schleiferiの薬剤耐性菌の検出法の確立とMICブレイクポイントの決定が重要との提案がなされ、2亜種;S. schleiferi subsp. coagulansS. schleiferi subsp. schleiferiについて追加検討することが承認されていた。今回の会議でその追加検討の結果が発表された。以下に2亜種の菌株数とmecA陽性と陰性の株数の内訳、oxacillinやcefoxitinによる耐性菌(mecA遺伝子の保有株)の検出結果を示す。結論として、S. schleiferiのブレイクポイントはS. pseudintermediusと同様とすることが承認され、S100 28thに収載される。

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  • 上記の検討結果を踏まえて、S. epidermidis以外のCNSに関するM100S Table 2Cのコメントにおいて、cefoxitinに関する記述を削除することが承認された。

Colistinワーキンググループ

  • Colistinの臨床微生物検査室における実践的かつ信頼性の高い薬剤感受性試験法に確立に向けて、予備検討のデータが発表されたので、以下にその要約となるスライドをいくつか掲載する。なお、これらのデータが提示された後、今後はdisk elution methodに関するワーキンググループを立ち上げることが承認された。

次回のASTミーティング

 次回のCLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute)AST(Antimicrobial Susceptibility Test)ミーティングは、2018年1月27日〜30日に、米国テキサス州ダラスで開催されることが報告された。

(文責:大楠清文)

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