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国際委員会 2013 CLSI報告

CLSI 2013 January AST meeting報告
(2013年1月14日〜2013年1月15日:フロリダ州タンパ)
三鴨 廣繁(愛知医科大学)、舘田 一博(東邦大学)

 2013年1月14日〜15日に開催されたClinical Laboratory Standards Institute (CLSI)のAntimicrobial Susceptibility Testミーティングに、日本臨床微生物学会から愛知医科大学の三鴨廣繁と東邦大学・国際委員会委員長の舘田一博が参加したので報告する。

2013年1月14日(全体会議1日目)

今後のAST subcommittee Process

各種ブレイクポイント策定にあたって問題が生じてきたため、以下のようにプロセスを変更することを提案するが、 今後さらに検討を進めることとする。

(それぞれのgroupの委員は兼担できない。ワーキンググループとAd Hocグループの委員は兼担できる。)

本質的耐性ワーキンググループ

  • チゲサイクリンのPseudomonas aeruginosaに対する本質的耐性に関してM100-S23のTable B1に加える。
  • Providencia rettgeriProvidencia stuatiiとは異なりaac(2’)-Iを有さないため、アミノ配糖体に対する本質的耐性の表M100-S23のAppendix Bから除外するべきである。

腸内細菌科/緑膿菌ワーキンググループ

セフェピムブレイクポイントAd Hocワーキンググループ

  • 腸内細菌科に対するセフェピム(CFPM)のブレイクポイントワーキンググループ(最終決定ではない)
    セフェピム S SDD I R 投与法
    現在のCLSIブレイクポイント ≦8   16 ≧32 1g,8時間毎または2g,12時間毎(3〜4g/日)
    EUCAST ≦1   2,4 ≧8 1g,8時間毎または2g,8時間毎(3〜46g/日)
    改訂CLSIブレイクポイント案1 ≦4   8 ≧16 1g,8時間毎、30分点滴または2g,12時間毎、30分点滴(3〜4g/日)
    改訂CLSIブレイクポイント案2 ≦2 4 8 ≧16 1g,8時間毎、30分点滴または2g,12時間毎、30分点滴(3〜4g/日)
    (米国の病院では83%がCFPM1日4g以下の使用である現状を踏まえて決定された。CFPM1日6g以上は発熱性好中球減少症の場合に限って使用がFDAにより認められている。)
    (Lee NY, et al. Cefepime Therapy for Monomicrobial Bacteremia Caused by Cefepime-Susceptible Extended-Spectrum Beta-Lactamase-Producing Enterobacteriaceae: MIC MattersClin Infect Dis 2012, Epub ahead of printが大いに参考にされた。)
    (米国でのKPC産生株の増加、ESBL産生菌の増加がブレイクポイント決定に大きな影響を与えている。)
    2013年6月のミーティングでCFPMのブレイクポイントの変更に関する最終案を決定する。

アシネトバクター属/カルバペネム薬ブレイクポイントAd Hocワーキンググループ

  • ドリペネム以外のカルバペネム薬の評価プロセスを検討する必要がある。

サルモネラ属/アジスロマイシンAd Hocワーキンググループ

  • フローズンプレートを用いた微量液体希釈法によるアジスロマイシンのMIC値は0.25-256μg/mLとする。
  • CLSI推奨のディスク法は15μgのAZM含有ディスク(BD)を用いてBBLのMH培地上で実施する。
  • アジスロマイシンのPKデータおよび臨床成績との相関データが少なすぎる。
  • ベトナムの研究報告からアジスロマイシンのブレイクポイントを16μg/mLとする可能性については、前述の観点からも臨床的な検証が必要。

Modifiedホッジテスト(MHT)Ad Hocワーキンググループ

  • Modifiedホッジテスト(MHT)陽性の菌株に対して、カルバペネムの感受性結果を報告する前にMIC値を測定すること。

経口セファロスポリンブレイクポイントAd Hocグループ

  • 注射薬セファゾリンのブレイクポイントを参考にして相関などを検討した結果、Non-UTIでは≦8μg/mL、UTIでは≦16μg/mLを提案するが、今後検証を進める。

データ解析ワーキンググループ

  • 与えられたMIC値と阻止円直径からディスク法によるブレイクポイントを決定するソフトウエアが完成に近づいた。
  • R package dBETSの使用により病原微生物の薬剤感受性試験成績からディスク法のブレイクポイントを評価することが可能である。
  • ポリミキシンワーキンググループを設置する。

Quality Controlワーキンググループ

  • P. aeruginosaの項目からE. coli ATCC25922を除外する。
  • Table 2A Enterobacteriaceaaeカルバペネム薬の項目にP. aeruginosa 27853を加える
  • コリスチンの微量液体希釈法によるQC株の許容範囲
  • 菌株 Current CLSI Approved Range(without Polysorbate 80) With Polysorbate 80 Without Polysorbate 80
    E. coli ATCC 25922 0.25-2 (99.1%) 0.03-0.25 (99.2%) No Change Proposed
    P. aeruginosa ATCC 27853 0.5-4 (95.9%) 0.12-0.5 (97.5%) No Change Proposed
  • ポリミキシンBの微量液体希釈法によるQC株の許容範囲
    菌株 Current CLSI Approved Range(without Polysorbate 80) With Polysorbate 80 Without Polysorbate 80
    E. coli ATCC 25922 0.25-2 (99.6%) 0.03-0.25 (97.1%) No Change Proposed
    P. aeruginosa ATCC 27853 1-4 (80.5%) 0.06-0.5 (97.2%) 0.5-2 (95.9%)

フルオロキノロン薬ワーキンググループ

  • 最終決定(Voting)項目なし
  • ディスク法によるPefloxacin(ペフロキサシン)のサルモネラ属に対するブレイクポイント設定に向けてデータを得る。
  • Pefloxacin(ペフロキサシン)のQC株の選定も課題(E. coli ATCC25922に関する試験を10回実施した)。

2013年1月15日(全体会議2日目)

Text and Tablesワーキンググループ

  • M100-S22とM100-S23のTables 2A,2B,2C,2Dにおいて、ディスク法で100mmプレートを用いる場合には最大5または4までのディスクを使用するにとどめることを記載する(M02 section 9.2 below参照)。
  • バンコマイシンディスク法をS. aureusのスクリーニングテストとして位置付け、M100-S23のTable 1Aにコメントを加える。また、このスクリーニング試験の記載をTable 2CのSupplemental Tablesに移動する。
  • 耐性機序に関するすべての表をAppendix AからEの後に移動する。耐性機序に従って、耐性の項目を再構成する。
  • M100-S23のTable 1A Suggested Groupings of Antimicrobial Agents With FDA Clinical Indicationsの脚注(footnote)を「 See oxacillin, cefoxitin and vancomycin comments in Table 2C for using cefoxitin diskas a surrogate for oxacillin and for using vancomycin disk diffusion screen.」と改める。
  • MALDI-TOFにより新たに同定された微生物(例えば、嫌気性菌であるHerbaspriliium spp,Trueperella bernardiae (Nonfermenters),Gordonibacter pamelaeae and Paenibacillus urinalisなど)に関してはMIC値のみを報告し、近縁微生物のブレイクポイントを使用して報告しない。

Rationale Documentsワーキンググループ

  • 以下の表に示したような内容に関する記載をCLSIのウエブサイトでrational documentとしてリンク可能にすることにより、ブレイクポイント再考の根拠などが明らかになる。
  • サルモネラ属に対するフルオロキノロン薬のブレイクポイント設定の理由、オキサシリン/セフォキシチン、ペニシリン、セフタロリン以外のβ-ラクタム薬のブレイクポイント削除の理由について文書が作成されている。

黄色ブドウ球菌バンコマイシンdisk diffusion(DD)テスト

  • M100-S23のTable 2Cは黄色ブドウ球菌に対するバンコマイシンのMIC基準のみを記載している。コメント19にはVRSA検出にdisk diffusion(DD)テストが有用であると述べられている。
    具体的には、
    7mm以上:MICを測定する。
    6mm:MICを測定する。インフェクションコントロールについての警告を示す。レファレンスセンターへ菌株を送付する。

M100 Ad Hocワーキンググループ

  • 新しいAd Hocワーキンググループを設置する。
    • M100フットノート/コメントAd Hocワーキンググループ
    • M100治療/投与量と警告コメントAd Hocワーキンググループ
    • M100スクリーニングテストAd Hocワーキンググループ
    • 他のNon-Enterobacteriaceaeに対するブレイクポイントの設定(Tabke 2B-5)Ad Hocワーキンググループ

次回のASTミーティング

  • 次回のCLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute) AST(Antimicrobial Susceptibility Test)ミーティングは、2013年6月23日〜6月25日に、米国ボルチモアで開催されることが報告された。
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