The Japanese Society for Clinical Microbiology
一般社団法人日本臨床微生物学会
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理事長挨拶

日本臨床微生物学会理事長就任にあたって

一般社団法人 日本臨床微生物学会
理事長 舘田 一博

 このたび、一般社団法人日本臨床微生物学会の理事長を拝命いたしました東邦大学医学部微生物・感染症学講座の舘田一博と申します。本学会は1990年に清水喜八郎初代理事長のもとにスタートし、2017年末の会員数は約3,700人、2019年には創立30周年を迎えようとしています。変貌する感染症の中で、臨床微生物学の果たさなければいけない責任は益々大きくなっていると感じています。特に迅速診断、感染対策、サーベイランスへの貢献は本学会の中心的課題です。明日からの臨床への貢献はもちろんのこと、今後30年を見据えた学会活動の方向性に関しても会員の皆様と一緒に考えていければと思います。

 1990年の学会設立時、私は長崎大学医学部の臨床検査医学講座の大学院生でした。当時、講師でいらした山口惠三先生が新しい学会の立ち上げに向けて、有志の皆さんとともに興奮と活気の中でその準備を進められていたことが思い出されます。あの当時、病院における微生物検査室の立場は決して恵まれたものではありませんでした。それこそ、感染対策に対する知識や備えもない中で、手袋やマスクをつけるという習慣もなくルチン業務に追われていたことが思い出されます。遺伝子診断や迅速診断はほとんど利用できていないという状況でした。薬剤感受性試験も、ようやく微量液体希釈法が導入されだした頃で、試行錯誤の中で検査法の確立に四苦八苦していた時代でした。30年前、病院における微生物検査室が耐性菌サーベイランスの中心となり、感染対策の要になることをどれだけの人が想像していたでしょうか。この30年間、臨床微生物学は確実に進化を遂げており、また本学会の責任は今後益々大きくなっていくと確信しています。

 感染症のグローバル化・ボーダレス化の中で、耐性菌、感染対策、新興・再興感染症の問題が喫緊の課題となっています。特に耐性菌問題は人類への脅威として捉えなければいけない時代になってきました。ワンヘルスというキーワードに代表されるように、病院の中だけでなく環境・動物・食品を介して耐性菌が伝播されていることが明らかになっています。30年前には見られなかった市中感染型耐性菌の出現と蔓延がその1例です。感染症の変貌と病原体の進化を止めることはできません。我々、臨床微生物学を志すものにできることは、意識・知識・技術をアップデートし、進化する病原体に対峙していくことです。近年の新しい診断法・機器の開発には目を見張るものがあり、革新的技術が次々と創出されています。検体採取から15〜30分で遺伝子診断が行える時代になってきました。この点で、臨床微生物学に関する新技術をどのように臨床に応用していくか、世界が遭遇する耐性菌問題をいかにチャンスに変えていけるか、日本臨床微生物学会の真価が問われているのではないでしょうか。臨床微生物学の発展を通して、感染症診療・教育・研究に貢献していくことが私たちの目標であり社会的責任です。何よりも、熱意を持った学会員、努力を続ける学会員が生き生きと活躍できる学会を目指していきたいと思います。会員の皆様方の益々のご理解とご協力を宜しくお願いいたします。

2018年2月吉日

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